書籍紹介: Pythonで理解する統計解析の基礎

 この記事はPyLadies Advent Calendar 2018 5日目の記事です。
 4日目はnikkie さん (@ftnext)イベントレポート&LT報告 | #pyladiestokyo 4周年パーティ(2018/10開催) - nikkie-ftnextの日記でした。

プロローグ

 辻真吾さんは、自分の中で、人気書籍 Pythonスタートブック [増補改訂版] の著者であり、大学勤務とPython関連活動(書籍の執筆、講演、勉強会など)を優雅に両立しているすごい優秀な人という印象なのですが、その辻さんが「相当、頭いい」*1という谷合廣紀さんの著書 Pythonで理解する統計解析の基礎 (PYTHON×MATH SERIES) を監修したとのことで、献本いただきました。

 PyConJP 2018 の前に献本頂いていたので、いまさらではありますが、さらっとご紹介*2させて頂きます。

Pythonで理解する統計解析の基礎 (PYTHON×MATH SERIES)

Pythonで理解する統計解析の基礎 (PYTHON×MATH SERIES)

内容

iiiページ「本書の構成」によると、本書は1-3章のデータの整理、4-9章の確率と10-12章の統計的推測からなります。

 1章ではpandasを使いながら変数の種類について説明、2-3章ではpandasに加えNumpyとMatplotlibを用いて基本的な統計量を可視化しつつ解説、4-9章では分布型と確率変数について解説、10-12章では統計的推定、検定、回帰分析について解説されています。

第1章 データについて
第2章 1次元データの整理
第3章 2次元データの整理
第4章 推測統計の基本
第5章 離散型確率変数
第6章 代表的な離散型確率分布
第7章 連続型確率変数
第8章 代表的な連続型確率分布
第9章 独立同一分布
第10章 統計的推定
第11章 統計的仮説検定
第12章 回帰分析

ざっと眺めた感想

 私自身はデータの統計的な処理をするようになって、データの分布型というのが非常に重要であるということをしみじみと感じた人なので、本書のように分布型や確率変数を懇切丁寧にPythonを使って説明してくれる書籍というのはすごくありがたいと思いました。

 統計学の基本を勉強しようと思っている方、統計解析にPythonを使っている/使ってみたいという方にオススメの一冊です。

 なお、本書ではJupyter notebook の形式を模してコードと出力結果が書かれています。Jupyter notebookってなに?という方や、プログラミング、Pythonの基本を知らない人は環境構築の段階でつまずく可能性があります。

 そういう方は、自著で恐縮ですが、PythonユーザのためのJupyter[実践]入門 の1章を読んで環境構築をし、2章、3章、4章でそれぞれ Jupyter notebook、pandas、Matplotlib について学んでから本書を読むと、つまずくことなく、読み通せるのではないかと思います*3

PythonユーザのためのJupyter[実践]入門

PythonユーザのためのJupyter[実践]入門

エピローグ

 わくわくしながら開いた本書ですが、手を動かして通読したい!と思わせられる良書です。なんとか時間を確保して写経したいです。

 辻さん、献本どうもありがとうございました。

 以上、この記事はPyLadies Advent Calendar 2018 5日目の記事でした。
 6日目の明日は asaneさん です!

*1:東大の大学院生で、将棋の3段リーグにいて、プロ棋士を目指しているそう。

*2:レビューというほど落ち着いて読める時間が確保できていないので、まずはご紹介と言うことで

*3:【2018/12/15 追記】そもそも、プログラミング自体をしたことがない方、Pythonははじめてという方はまずは入門書を読みましょう。たとえば以下の書籍など。

Pythonスタートブック [増補改訂版]

Pythonスタートブック [増補改訂版]

いちばんやさしいPythonの教本 人気講師が教える基礎からサーバサイド開発まで (「いちばんやさしい教本」シリーズ)

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みんなのPython 第4版

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スラスラわかるPython

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